石川裕人百本勝負 劇作風雲録

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第十九回 宿題。

 ”OCT/PASS"結成10周年は2005年。86本目「オーウェルによろしく」〜アンダーグラウンド・ジャパン続〜03年に上演したテント芝居「アンダーグラウンド・ジャパン」の続編。あれから30年後の日本を舞台にした。ジョージ・オーウェルの小説「1984」が早すぎた黙示録だったように2035年の世界はまるで「1984」と酷似した社会になっている。そのような閉塞的な状況の中でも尊厳を賭けて戦う宣言をジョージ・オーウェルに意趣返しした戯曲。このあたりに来てもまだ100本は先の先だった。本当に書けるのかい?っていうのが心境だったと思う。この年は10周年記念イヤーとして3本の新作を打つ。



オープニング・シーン。10−BOXの隣にあるのぞみ苑の生徒さんも出演してくれた。



 87本目「修羅ニモマケズ」PlayKenji♯4は宮澤賢治のかこった修羅=ストイシズム(禁欲)、ストレンジ(異貌)、スーパーネーチャー(超天性)を描いた祝祭的戯曲。大河原、山形県川西町、仙台文学と基本的に野外で上演された。


           


 88本目「眠りの街の翼」はAZ9ジュニア・アクターズへの書き下ろし。これがAZ9ジュニア・アクターズへのちょうど10本目の戯曲となった。


          


 2006年89本目「カオス・クラッシュ この国の涯」はさまざな人間の欲望と夢と愛憎が交錯する涯の世界を描いた戯曲。ここにも国家権力という闇が広がる索漠たる風景が横たわっている。正式には89本目の戯曲なのだが当日パンフレットには「劇作90本達成記念インタビュー」が掲載された。ここには三部作書いて100本目達成したいと言っている。この三部作とは構想だけある『戦後昭和三部作』のこと。昭和天皇が死んだ日を起点に天皇ヒロヒト、手塚治虫、美空ひばり、鉄腕アトム、ひばりの母という五人の登場人物が戦前・戦中・戦後の時空を駆け巡るという奇想天外な戯曲。これが今からの仕事になる可能性もある。そして、その片鱗が100本目「ノーチラス」に出てくる。


 90本目「遊びの天才 遊びの国へ行く」はAZ9ジュニア・アクターズへの書き下ろし。


                


 91本目「ザウエル」〜犬の銀河 星下の一群〜PlayKenji♯5は「銀河鉄道の夜」を換骨奪胎。犬の殺処分と大量虐殺の時代を重ねた戯曲。全12ステージのロングランを組んだが残り2ステージで役者が病気に倒れ公演を中止、翌年リベンジ再演を行った。チラシにはくろ丸の勇姿、背後で天を指さすのは絵永けいである。この公演の”OCT/PRESS"にはこんな予告が『鯨、帰還セズ』春日町綺譚 テント興行決定!!これは今は亡きあべひげとあべさんをテーマにした芝居の予定だった。しかし、翌年私の体調の関係でこの企画自体は頓挫した。そうこうしているうちにあべさんも急逝してしまった。いつかはやらなければならない宿題である。 

         

*”OCT/PASS"の公演チラシ、詳細はHP作品紹介をご覧ください。
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