石川裕人百本勝負 劇作風雲録

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第十八回 ”OCT/PASS"に書かなかった2004年。

         
 
  ’03年は79本目「阿房病棟」から始まった。名取文化会館主催の「名取突GEKI祭」2003プロデュース公演への書き下ろし。一般公募の市民キャスト8名にAgingAttack!!から独立した劇団やんまのメンバー3名、そして”OCT/PASS"から絵永けい、長谷野勇希。ゲストに小畑次郎さんというキャスト。この名取市民参加メンバーから次につながる活動を、と期待を込めて創ったが、あれから7年名取市はまだ文化空隙地区。前市長が遺した文化会館だけが堂々たる偉容を誇っている。

 80本目「アンダーグラウンド・ジャパン」は2000年の「又三郎」以来3年ぶりのテント芝居。私自身最も得意とする綺想とフェイクに満ちあふれた会心の作でもある。太平洋戦争の終結を知らされないまま地下に潜り武器を作り続ける一家を通して現代と地下の闇を通底させるという試み。ただ、この年は冷夏で7月後半というのに寒く、仕込みの時から雨が小止み無く降り続いた。おまけに楽日は劇的効果を狙った本火を通報した人間がいて消防車出動。公園は泥状、車の轍跡が目立つことから修復命令と散々なことになったが、芝居は好評だった。


   


           


「家族ゲーム」的城所一家の食卓。彼らが終戦を知らされず武器を作り続けた。


 81本目「この世の花 天涯の珊瑚」改訂版。’01年に上演した戯曲を改訂した。古川と大河原だけの公演。初演版より年数の経過が落ち着きを感じさせる1本となった。古川での仙台の劇団の公演は初めてだった。


 82本目「THE RIVER STORY」はAZ9ジュニア・アクターズへの書き下ろし。石川版「たのしい川べ」という趣向。これには私も客演し、共演の子どもたちに私の台詞を覚えさせた。


          


 この年は第1回劇のまち戯曲賞大賞受賞作「闇光る」のプロデューサーとして「アングラJ」が終わって11月までみっちり関わった。


 ’04年は”OCT/PASS"へのまとまった戯曲を書いていない。その代わり実験的なことを始めた年でもあった。83本目「センダードの広場」PlayKENJI仙台文学館篇は文学館「宮澤賢治展」のリンク企画。野外円形石舞台で上演された。賢治の童話を縦横無尽に横断する祝祭的な短篇劇。


       


        

       

 84本目「大福の孤独」は仙南のえずこシアターへの書き下ろし。演出はイギリス人のイクバル・カーンさんだった。


           


 85本目「銀河のレクイエム」はAZ9ジュニア・アクターズへの書き下ろし。どうもこの年は賢治年だったらしく、「センダード」に続いてこの作も賢治の「銀河鉄道の夜」を下敷きにしている。ネタに詰まると賢治というのが私の傾向で、PlayKENJIや賢治モノが上演されたときは、ははあ石川はネタ切れか、と思ってもらっていいかもしれない。そして、賢治の作品には茫洋たるヒントが多く詰め込まれていると言うことでもある。


         


 この年の7月にはヨネザワギュウ事務所公演「ゴドーを待ちながら」演出。あの歴史的難物を料理した。(された)そして12月には”OCT/PASS"での実験企画Experience、フェルナンド・アラバール「ファンドとリス」「祈り」を換骨奪胎、構成した「砂の覚醒」を上演し、好評を得た。というわけで”OCT/PASS"へのドラマ的戯曲は1本も無かった。


 ”OCT/PASS"の上演チラシはHPの作品紹介をご覧ください。

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