石川裕人百本勝負 劇作風雲録

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第十六回 年間5本2年連続 その1。

 2001年、69本目「祖母からみれば 僕たちは 荒れ果てたさかしまの夜にうち捨てられた野良犬の骨のようだ」という長い長いタイトルの戯曲はアゴタ・クリストフの「悪童日記」をモチーフに書かれた。児童虐待問題をテーマにハードな芝居だった。前年”OCT/PASS"の新人養成WS「戯塾」から正式団員になった宿利左紀子と古村朋子が双子役になり好演した。役者連は膝を擦ったり、あざ作ったりと大変な状況だったが稽古場が妙に明るかったのを覚えている。なお、このタイトルが1番長いタイトル。ちなみに1番短いタイトルは「治療」(’73年)「流星」(’81年)である。1文字タイトルというのが無い。


     


 左から絵永けい、古村朋子、宿利左紀子。古村の顔が本当に虐待されてる子どものようだ。古村は現在世界放浪中?撮影者・松橋隆樹氏。


 70本目「遺棄の構造」は小畑次郎プロデュース公演への書き下ろし。秋田の名優・たかはししげきさんと小畑氏の念願のがっぷり四つに絵永けいが絡んだ。現在問題になっているゴミを捨てられない症候群の老人と追い出し屋の葛藤と友情を描いた。


         


           稽古写真。左・たかはししげきさん 右・絵永けい


 この年”OCT/PASS"はマージナル・シアター・フェスティバルという演劇祭をスタジオで開催し全国から8つのカンパニーが参加した。この参加作が71本目「FOOL TRAIN」〜阿呆列車第2便〜でアルルカン・ロマンスへの書き下ろし。’98年の「フールトレイン」の続編改訂版である。フェスティバルではもう1本リーディング台本「読む女」を構成した。


          


 72本目「わからないこと」〜戯曲短篇集〜は「遙かなり甲子園」「兆し」「わからないこと」の3本からなる作品集的戯曲でまとまった1本とはいえないが、3本ともいえないので難しい。作品の関連性もないので違ったテイストの戯曲が楽しめたはず。考えてみれば100本も書くのには同じようなテーマで書いていたらまず無理だろう。自分の書きたいことを臆すことなく節操なく書いてきたのが100本達成の要因かもしれない。「兆し」で片倉久美子と小川描雀がデビューしている。



「遙かなり甲子園」。まぐれで甲子園出場を決めてしまった僻地の高校の顛末を描くコメディ。真ん中が篠谷薫子。


   


「兆し」。東北の水族館のまんぼうがある日変調をきたした。この変調は世界の海洋の異変の始まりだった。静かに進む終末を描いた戯曲。今現在の”OCT/PASS"の中核メンバー3人の顔が初初しい。


       


「わからないこと」。実話を元に書かれた老母と亡き息子との交感を描いた。右・絵永けい。左・芳賀本名くん(客演)。撮影者全て松橋隆樹氏。


 73本目「ナイトランド」〜夜を呼吸する妖怪たちの物語〜はAZ9ジュニア・アクターズへの戯曲。この年は5本書き、翌年’02年も5本書いている。この2年が量産のピークだった。これから年間5本書くというのは神業になるだろう。


           


 ”OCT/PASS"のチラシはHP作品紹介をご覧ください。 
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