石川裕人百本勝負 劇作風雲録

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第十五回 21世紀を目前に。

          

 

 初の海外旅行をするきっかけはテレビ・ドキュメンタリーのための戯曲を書くための取材で98年12月に香港、ハワイと東西に旅立った。玉蟲左太夫という幕末の仙台藩士のことを発掘するドキュメンタリーで実際の取材と上演の様子をクロスする形で放映された。’99年、61本目「超サムライ 玉蟲左太夫」である。飛行機嫌いの私は飛行機に乗っている間機内酒で我を忘れる作戦に出た。取材はまるで東方西方見聞録の趣で興奮の連続だった。香港の猥雑さ、ハワイの爽快さは今でも忘れられない。もう一度香港には行ってみたいが、飛行機がねえ。そしてこの戯曲は’10年、「先人のはなを啓く会」によって再演されている。


 62本目「キセルと銀河」。この時も劇作60本突破記念公演と銘打った上演を行っている。100本書けるとはこの当時も思っていなかったような気がする。戯曲は’85年の「翔人綺想」をモチーフにした作品で、高校の職員室が舞台。変人続々登場の芝居だった。この時のパンフに戯曲ベスト5を自選している。それによると「翔人綺想」「水都眩想」「又三郎」「あでいいんざらいふ」「犬の生活」を挙げている。


   

                  (深瀬澄夫氏 撮影)


 63本目「夜を、散る」現代浮世草紙集は脳死からの臓器移植問題に真っ向から挑んだ戯曲。ドキュメンタリータッチで描かれた病院の待合室のドラマは迫真的で反響を呼んだ。ちょうど臓器移植に関しては賛否両論の時期だったのでマスコミが取り上げてくれた。


   

                  (深瀬澄夫氏 撮影)


                 


 64本目「山猿の子」〜さよなら20世紀〜はAZ9ジュニア・アクターズ上演作品。山の分校からやってきた姉弟と町の学校の子どもたちの出会いと交流と別れの物語。主演の子が溌剌と好演していたのがよみがえる。


            



        


 65本目「つれづれ叛乱物語」はAgingAttack!!の第2回公演戯曲(上演は2000年)。AgingAttack!!は第1回公演が大好評で女性も加わりメンバーは倍以上に増えた。終の棲家をテーマにして老人だけの住むアパート立ち退き騒動を描いたコメディ。これには”OCT/PASS"メンバーも大挙出演、世代間交流舞台としても話題を呼んだ。しかし、AgingAttack!!プロジェクト早すぎた企画と惜しまれつつこれをもって終了した。ただ、メンバー有志が新しい劇団をつくって活動を続けている。そして私は今年から仙台市主催企画のシニア劇団構想に参画指導することになった。10年ぶりにシニア世代と芝居作りをすることになるが、私自身がシニア世代のとば口に立っていることを自覚しながらの挑戦になる。


 66本目「ぼくが発見した町と町に発見されたわたし」は仙台市主催演劇ビギナーズWS公演台本(2000年上演)。仙台市内の一地域を受講生が取材しそこに生起した、する、するかもしれない物語を短い台本にしてもらいそれを構成台本にしたものだったが、ほとんど私のオリジナルだった。試演会は大きな劇場だったせいもあり大盛況だった。このWS受講生に片倉久美子がいて、”OCT/PASS"スタジオで特練をやった。これが機縁で彼女は2001年に”OCT/PASS"に入団することになる。


 コンピュータ2000年問題というのがあった。2000年1月1日にPCがクラッシュするかもしれないという噂がまことしやかに流れ、「ぼくが…」の台本も年越しを避けるべくガツガツ書いた。確か、’99年12月30日くらいに担当者に渡したような記憶がある。PCは全然なんともなかったんだけど。「周辺事態の卍固め」からワープロをMacのPerformaに切り換え、一太郎Macで書き始めた頃だった。Macは不安定で、よくフリーズしていたものだった。


 そして2000年。67本目「又三郎 20世紀最終版」は’88年初演の「又三郎」の改訂版。仙台演劇祭参加作で初演版をしのぐ仕掛けを組んだ。

          

 亡きくろ丸と共に舞台に立つ不肖私。又三郎が転校してくる山の学校の校長先生・丹前きるぞう役。左は堀カナン。くろ丸2歳、若かったなあ。

 68本目「しーんかーんミステリー」〜誰かが僕らを夢見てる〜はAZ9ジュニア・アクターズ上演戯曲。AZ9へも5本目となるとさすがにネタ切れの心配で毎年心配になるのだが、その期に及ぶとなんとかなるもので、まずはAZ9地域=仙南9地域の民話や歴史的名所、観光スポット、はては名産品まで資料をかき集める。この戯曲は七が宿ダムをネタにしたミステリー。この年はどういうわけか2本しか戯曲を書いていない。理由はわからないが、多分2001年5月から開催したマージナル・シアター・フェスティバルの準備に入ったからかもしれない。 

             

         


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