石川裕人百本勝負 劇作風雲録

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第十一回 十月劇場を閉じる。

  ’93年38本目「三部作時の葦舟第2巻 無窮のアリア」。前回も書いたようにこの三部作は畢生の大作で第2巻は古代篇。この芝居でも松本→大阪→丸森→仙台と旅公演を続けたが、この年は台風の当たり年で全ての公演地で台風の直撃を受けた。松本では立込の終わったテントから避難。丸森では公演中止。仙台でも直撃を受けたあおりで楽日にものすごいお客さんが詰めかけテントの周りを取り囲んだ。この仙台公演の後に中止になった丸森に戻り公演を無事終えたが、そのリターンマッチも雨に降られた。この芝居は完璧野外劇でプールをしつらえその上に能舞台を模した舞台を造った。ラストに役者3人が乗った葦舟をクレーンで吊るという荒技、そして水中ポンプからは高さ10メートルにならんとする水柱、イントレ三段組の上からは振り子の大時計と、我が芝居人生最大のセットを組んだ。

 なお、この「無窮のアリア」の稽古入りから打ち上げまでの5ヶ月を「河北新報」が全23回連載で記事にしてくれたのは壮快だった。


         


 39本目「演劇に愛をこめて あの書割りの町」は仙台市市民文化事業団の委託による舞台技術養成講座のための公演台本。舞台上演中の劇団に起こる様々なアクシデントをコミカルに描いたバックステージ物。(上演は’94年)

 ’94年40本目「月の音 フェリーニさん、おやすみなさい」。力をつけてきた「十月劇場」若手のために書き下ろした幻想劇。この戯曲は2008年に”OCT/PASS"新人公演で再演されている。


       


 41本目「スターマンの憂鬱ー地球人類学入門ー」。「演劇に愛をこめて」を最後に「十月劇場」を退団した米澤牛(現渡部ギュウ)に書き下ろした一人芝居台本。

 そして42本目「三部作時の葦舟第3巻 さすらいの夏休み」。この戯曲を書いている最中に’94年を最後に「十月劇場」を解散しようと腹を決めていた。この芝居でも秋田→寒河江→丸森→仙台と東北ツアーを敢行。前作「無窮のアリア」と違って天候に恵まれた。この戯曲は三部作の発端の現代篇。家族が何故時空の旅に出ることになったのかが明かされる。この三部作はいずれ通しでやってみたい戯曲でもある。今年は劇作100本達成年だが、既に演出作は100本を越えているので演出100本達成記念企画としてやってみようか。


         


  


          


 仙台公演の珍しい上からの写真。全景がよく判る。場所は仙台駅東口現在のヨドバシカメラの敷地である。撮影は大槻昌之氏。

 

 この旅公演期間中には次作43本目「月の音ー月蝕探偵現るー」を書きながら、稽古までやっている。すごいスケジュールだと今更ながら思う。「月の音ー月蝕探偵現るー」は40本目の「月の音」とは同名異曲である。これは我ながら失敗作の不名誉を冠しているが、最近この上演ビデオを見たら非常にシュールで面白かった。


 そして私は劇団員へTheatreGroup"OCT/PASS"への発展的解散を宣言した。ちょうど40歳。私はテントへの決別と1ヶ月を越えるロングラン公演の確立、新機軸の戯曲連作など大人の鑑賞に堪えうる芝居作りを標榜していた。とにかく芝居でメシが食いたかった。

 ’94年はTheatreGroup"OCT/PASS"旗揚げ第1作になる44本目「素晴らしい日曜日」も書いているから年間5本を書き下ろした。そして翌年から現在につながるTheatreGroup"OCT/PASS"での劇作風雲録が始まる。

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